措置要求をしないと教員の残業はいつまでも「自発的」のまま

関東教職員ネット労働組合・執行委員長です。

今回は「措置要求」についての話をします。

〇教員は残業を「自発的」であるとして受け入れ続けなければならないのか?

公立学校教員には時間外勤務命令をしてはならないと法令で定められています。しかし、現実には過労死ラインを超える残業をしている教員が少なくないのは周知の事実です。

過去には、このような理不尽な状況に対し、訴訟を起こした教員もいましたが、教員の残業はあくまでも「自発的」であると裁判所に判断され、敗訴しています。

では、学校教員は今後も残業を「自発的」であるとして甘んじて、受け入れ続けなければならないのでしょうか。

そんなことはありません。

前述のとおり、公立学校教員には時間外勤務命令をしてはならないと法令で定められているので、少なくとも”直接的な”時間外勤務命令、休憩時間の未確保などについてはきちんと訴えさえすれば、改善が図れるはずです。

問題は、訴える相手です。

校長や教育委員会に訴えて改善が図られればそれが一番早いのですが、彼らのなかには真摯に対応しない場合が多々あります。未だに公立学校教員は労働者ではないと考える者もいるほどです。

また、民間労働者であれば労働基準監督署が対応してくれますが、公立学校教員は公務員なので対象外です。

ではどうすれば良いのか。

人事委員会に『措置要求』を行うのです。

人事委員会というのは、”公務員版労働基準監督署”とイメージすると分かりやすいかと思います。措置要求という制度は、公務員から申請を受けると、当該校長や教育委員会、議会に対して調査・是正勧告等を行うという制度です。

〇措置要求の”数”で「自発的」でないことを示すべき

言うまでもなく、役所というのは申請主義です。役所からは、措置要求がない=教員は不満に感じていない=自発的、と判断されてしまっている節があります。

以前、ある県の人事委員会担当者に前年度1年分の学校教員からの措置要求の申請数を尋ねたことがあるのですが、たったの2件でした。

これでは教員は不満がない(自発的)と受け取られてしまっても不自然ではありません。

逆に考えれば、仮に多くの教員から措置要求がなされれば、役所側は動かざるを得なくなるでしょう。(敢えて教育委員会ではなく役所と書きました。公立学校教員の労働基準監督権限は市長にあるからです)
役所が動かざるを得なくなれば、校長は措置要求されないよう注意するようになるはずです。

ですから、教員自身が自発的でないことを措置要求という形に出して抗議すべきなのです。

教員が措置要求を申請しない理由には、制度を知らないだけでなく、氏名を出さなくてはならないので不利益を被る恐れを抱いていることがあるかもしれません。しかし、人事委員会は個人情報を守る義務があるので、措置要求を行った者の個人情報を校長・教育委員会等を伝えてはならないことになっています。(信頼できないということであれば返す言葉がないのですが…)

“数”は力です。教員一人ひとりがほんの少しの勇気を出して措置要求を行っていけば、今より労働環境の改善(少なくとも法令遵守)が図られるはずです。

措置要求を行うことにより、教員は残業が決して「自発的」でないと示すべきです。

当組合では組合員に措置要求申請の支援を行っております。

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